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プロ野球・合併問題

プロ野球のパシフィック・リーグにおける、 大阪近鉄バッファローズとオリックス・ブルーウェーブの球団合併ならびに
付随する種々の問題について、思うところを書きたいと思います。

 まず最初に、私が今回の球団合併には反対の立場である事ならびに、選手会のストライキに対しては支持の立場をとる事を、述べておきたいと思います。
 反対する主な理由としては、以下のようなものがあります。
 ファンの大多数と書きましたが、テレビやインターネットなどの世論調査などでは、約8割の人たちが、ストライキを支持しているようです。 ストライキ支持が8割なら、合併反対はもっと多いと考えても支障はないと思われます。
 ”野球界にとって不利益”に関しては、チーム数の減少によって、出場のチャンスが減るという事が、もっとも大きいと思います。 どう頑張っても、1年に1チーム当りの試合数には限界があります。 よって、チーム数が減少→総試合数も減少、となるわけです。 1度にグラウンドに立てる選手は最大9人ですし、レギュラーメンバーがいるわけですから、1試合に実際に出場する選手数も平均すればたかが知れているでしょう。 チーム数が減少→総試合数も減少→1人の選手が試合に出場できる可能性も減少、となります。 つまり、チャンスが減る、というわけです。 これは、ものすごく単純な考えですが、大筋では間違っていないと思います。
 さらに、チーム数減少に伴い、選手救済のため、保有選手数の拡大を言っていますが、それでは赤字が拡大するだけではないでしょうか。 オーナーサイドは、年俸の高騰も赤字の原因に挙げていますから、保有選手数が増えれば赤字の拡大も必然的に起こるでしょう。 野球人口をもっと増やす事が、必要な事ではないでしょうか。 チーム数の減少は、野球人口の減少をも引き起こしかねないと思うのです。  と、けっこう正統派な意見を書いてしまいましたが、オーナーサイドのやり口が不自然で汚いというのも、実は大きな理由です。
   1つ目は、選手やファンをないがしろにした、プロスポーツを経営する人間にあるまじき行為だと思いました。 もちろん、現在もそう思っております。
 2つ目以降は、今回の合併問題において、私が聞いたり感じたり議論した様々な疑惑を含めて、書き記しました。
 2つ目について、命名権売却による球団の名称変更と、合併による球団の減少・消滅とでは、ファンにとってどちらの方がより不利益であるかは、比べるまでもないと思います。
 3つ目は、赤字が30億円で、選手の年俸総額が20億円ならば、年俸以外の部分において経営がうまくいっていない、と考えるのが自然ではないでしょうか。 この「30億円」という数字も、詳細は全く明らかにされておらず、本当に30億円も赤字があるのかどうかよく分からないという事を、ここに付け加えておきます。
 実際に手持ちの「日刊スポーツクラブ2004年プロ野球選手名鑑」(発行:(株)日刊スポーツ出版社)による、今季開幕前2月1日における、支配下選手66人の推定年俸総額は、21億8260万円でした。 個人の年俸は、450万円〜5億円の開きがありました。 そのなかで、1000万円以下が66人中29人で約44%、5000万円以上の人が11人で約17%でした。 なお、これらの数字には、新人選手6名が含まれており、契約金は無視しております。
 4つ目と5つ目は、2つ目と併せて、私が、合併問題に対するオーナーサイドの対応を不審に感じる原因となっております。

 私は、球団の命名権売買に関しては、肯定的な感情を持っておりました。 オリックス・ブルーウェーブの本拠地であるグリーンスタジアム神戸は、ソフトバンクに2年契約で命名権をレンタルしていました(Yahoo!BB STADIUM)。 そして何よりも、ブルーウェーブの2軍は、サーパスマンションで知られる穴吹工務店のスポンサードにより、サーパス神戸と名称変更していた事からも、反対する理由などないと思っていました。 しかし、結局は他球団や選手・ファンから反発を受け、命名権売買による経営改善は不可となりました。 この時は、まさか球団合併なんて話が出てくるとは夢にも思っていませんでした。 この球団合併に関して、私にとりましては到底理解できない案件であり、また社会的に認められる訳がないと考えており、もちろん他球団の反発を予想しておりました。 ところがふたを開けてみればどうでしょう。 意見に多少のズレはあったものの、大筋で合併が承認されてしまいました。 ここで出てきたのが、西武ライオンズの堤義明オーナーでありました。 26年ぶりにオーナー会議に出席(その間は代理が出席していました)したかたと思えば、あろうことか「もう1組の合併が進んでいる」と発言。 これを受けて、翌年からの10球団による1リーグ制への移行という(オーナーサイドの)機運が高まりました。 この後、阪神タイガースの2リーグ論や、ナベツネ(本名:渡辺恒雄)の読売ジャイアンツオーナー辞任、世論の高まりなどがありましたが、9月8日のオーナー会議でオリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バッファローズ両球団の合併に関しては承認されてしまいました。 もう1組の合併に関しては、オーナーサイドの発言からは、今回は合併の話がまとまらなかったので今後進めていく、というニュアンスを感じとることができます。 暗にいや、明らかに10チームの1リーグ制移行を目指している事を示しています。
 この一連の騒動で感じた事は、裏で誰かがテコ入れしている可能性と、その誰かが堤義明ではないかという事です。 これらを含めてここからは、私個人の憶測や推測を含む事を、あらかじめ述べておきます。
 まず、事の発端は今年の初め1月31日に、球団名から近鉄の名を外し、他企業に球団の命名権:ネーミングライツを売却する事を発表しました。 ところが、他球団や選手・ファンのみなさんからも反対され、その話自体は結局なくなってしまいました。 しかし、半年とたたない6月13日、近鉄とオリックスの間で合併交渉がなされていた事が明らかになりました。 更に一月とたたない内(7月7日)に、オーナー会議で合併についてはほとんど了承されてしまいました。 このオーナー会議やその後の記者会見などで、ライオンズオーナーの堤義明が「もう一組の合併・1リーグ構想」発言をしました。 (一応、この段階では具体的な球団までは決まっていなかった事になってます。) そして約2ヶ月後の9月8日のオーナー会議で、オリックス・近鉄の合併は承認されてしまいました。
 実は、以前からナベツネと堤の両名は、1リーグ信者として知られていたそうです。 (私は知りませんでした。ちなみにナベツネはこれを否定していますが、風向きが悪くなったのでいい加減な事を言っているようにも見えます。) 近鉄の経営難を聞きつけた堤が、近鉄に入れ知恵をして、合併球団を募り、球団減少を理由に1リーグ化を目指して動き出したように、少なくとも私には、そう見受けられます。 もう1組の合併に関して、始めは福岡ダイエーホークスと千葉ロッテマリーンズの2球団を合併させようとしていたそうですが、ダイエー本社の都合もあり、これは失敗に終わりました。 そこで、西武ライオンズと千葉ロッテの合併に方向転換したのですが、出資比率が西武8:ロッテ2と持ちかけたために、ロッテ側が激怒、これも失敗に終わったそうです。 ロッテを、完全になめていたようですね。
 閑話休題、何もかもが早急すぎる上に、大部分のファンの意向を無視し続け、オーナーサイドはプロ野球を何処へ導こうというのでしょうか。 追い討ちをかけるように、あれだけ身売りを拒んできた近鉄が、数年後には球団経営から撤退する可能性がある、というニュースが舞い込んで来ました。 結局球団を手放す事になってしまうのにも拘らず、なぜlivedoorに売ってしまわなかったのでしょうか。 これは、もう1リーグ化を推進する動きとしか、私には考えられなくなってしまいました。 合併はやめられない、ストはダメ、ストをした場合損害賠償の請求をするとまで言っています。 大多数のファンや選手の意向を無視しておきながら、自分達の言い分だけ通そうとするなんとも汚いやり口です。 選手会側は、ドラフトの完全ウェーバー制や利益分配制度などの、様々な改善案・解決案を提示している事も、加えておきます。

   いくつかの衝撃的な発言がありました。 ナベツネの「たかが選手」発言などは、ナベツネ本人にも自覚できるほどの大失言でした。 あれは、プロ野球始まって以来の、失言ではないかと思います。
 さらに9月8日のオーナー会議後の、ある球団オーナーの発言で、

「将来どうなるんだ、という話は出たが、将来の事を今話しても仕方がないという事になった」

という文章を(確かスポーツナビで)読んだときには、もうなんともしがたい気分でした。 こんな人間達がプロ野球の向かう方向を決めているのかと思うと、暗澹とした気分にすらなってきます。 野球界の未来よりも、今の球団経営、つまり自分達の都合しか考えていないように見受けられます。 もうひとつ、個人的に頭にきたのが、日曜日に「喝!」とか言ってる3000本ヒットを打った人間とその発言でした。 ある日の放送では、オーナーサイドを養護するばかりか、古田(選手側)は自分達の事しか考えていないなどと、わけの分からない事を言っておりました。 3000本もの安打を放った人だったので、尊敬すべき人だと思っていましたが、一人のヒトとして尊敬する事は二度と出来ないと思います。
 逆に、選手の方々にはいつも感心させられ、また勇気をいただきました。
 とくに古田選手会長は、あれだけのテレビ出演や選手会の仕事をこなしつつ、打率はリーグ4位の3割2部4厘、打点はリーグ15位の72打点(日本人ではリーグ7位)と頑張っております。 (いずれも、9月9日現在) ちなみに、古田選手は39歳(おそらく工藤公康投手・川相昌宏選手についで年長で、同期は数名)、ヤクルトの総得点数はリーグ最低であることを付け加えておきます。
 福岡ダイエーホークスの、松中選手会長にいたっては、チームの優勝さらには自身の3冠王までかかっているというのにもかかわらず、日本球界のためにストを決断してくれました。
 プロ野球ファンの人たちの活動も、非常に嬉しい事でした。 これだけの人が、プロ野球のことを考え、合併に反対してくれるとは、正直言うと思っていませんでした。 当該2球団(バッファローズ・ブルーウェーブ)のファンはともかくとしても、 パ・リーグ他球団の、応援団やファンの方々も合併反対・1リーグ反対を一生懸命に訴えてくれましたし、 多くのセ・リーグのファンの方々も署名やその他の活動に積極的に参加してくれたのが、とても嬉しかったです。 そして、オーナーサイドでも、広島東洋カープだけは、ファンの声を無視できないということで、反対はできないまでも賛成もできないと言ってくれました。 他のオーナーにも、ファンあってのプロ野球、ファンのためのプロ野球ということを理解して欲しいです。
 私は神戸在住で、Yahoo!BBスタジアムも自宅からそう遠くない距離にあります。 合併反対の立場は最後まで貫きますが、もしも合併が回避できず、地元開催が減少または消滅した場合、野球場で野球を見る事はほとんどなくなるでしょう。 野球自体、あまり見なくなるかもしれません。 これは、私に限った事ではないと思います。 そして、きっと野球人口の減少、ひいてはプロ野球の衰退に繋がると思うのです。 そういう事をオーナーたちにもう一度よく考えて欲しい、これが今の願いです。
   最後に、個人的希望(理想)をすこし。
 東北や北陸、四国などにもチームを作り、セ・パ8球団ずつで、さらにそれらを4球団ずつ(例えば東地区・西地区のように)2つに分けるとかして、 日本シリーズはプレイオフ・トーナメントで行えばいいとか思うんですがね。 メジャーリーグ的に。 もちろん、交流ゲームなどはどんどんやって欲しい。
<用語説明>
ウェーバー制 ドラフトや戦力外選手などを獲得する際、成績下位球団から優先的に選手を獲得できる制度。 現在の日本のドラフト制度は、ウェーバー制が導入されていないため、上位指名球団が複数ある場合、抽選となる。 また、自由獲得枠というものがあり、ドラフト会議前に2人までは入団を決める事ができる(いわゆる逆指名制度とほぼ同じで、高校生は適用外)。
利益分配制度 チケットや放映料などの収入を一括管理し、均等に分配するような制度。 現在の日本では、こんなことやってないので、ジャイアンツ、タイガース、ホークスなど人気球団はもうかるが、人気のない球団は経営が非常に厳しい。



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